異議あり!ふるさと納税

杉並区のホームページに「異議あり!ふるさと納税」と題した区長のメッセージが載っていました。

ふるさと納税制度は、自らを育んでくれた「ふるさと」を、寄附を通じて直接応援できる仕組みとして創設されたものですが、特上肉などの特産品で寄附を募る返礼品競争の過熱により、首都圏の自治体は住民税の流出に苦しむ状況となっています。杉並区でも、29年度には10億円を大きく超える区民税が失われる見込みです。
 ならば、区も豪華な返礼品を準備して地方に対抗すれば、という意見もあります。しかし、この制度が持つ、都市と地方の間の格差是正という問題意識は私たちも共有しており、やみくもに地方と税源の取り合いをすることを目的にするのは本意ではありません。
 また、私は、返礼品競争がこのまま続けば、税の流出に歯止めがかからなくなるばかりか、住民税のあり方そのものが歪んでしまうのでは、と危惧しています。(「杉並区ホームページ」より抜粋)


区のホームページに区長の名前でこのようなメッセージを残すのですから、よほど事態は深刻なのだろうと思います。


こういった話はここ1年くらいの間、言われ続けていて、昨年春には総務省が各自治体に対し「豪華な返礼品を自粛するように」との呼びかけもありました。

具体的には返礼品の価額を寄附金額の3割以下に抑えるというもので、実際問題、現在では多くの自治体でそのように実施されています。


しかし、それでも相変わらずふるさと納税の人気は過熱するばかりで、その結果として都市部の税収は減っています。

高額納税者が多く住む世田谷区では、30億円近くの税減だそうです。


思うにこれは、“豪華な返礼品” ばかりが原因ではないのではないでしょうか。


「ふるさと納税」のしくみそのものが多くの人に理解されてきたことが、おもな理由なのだと思います。


ふるさと納税の目的は “地方の支援” であり、寄附をする側にとっては、寄附金控除による “節税” が大きな目的です。


 こちら >> ふるさと納税の仕組み


そして、その結果として、都市部に住む高額納税者の人たちの多くが、こぞってふるさと納税に参加しています。


例えば、ふるさと納税サイトである「ふるなび」では、“年収2000万以上の人限定” と銘打って、「ふるさと納税コンシェルジュ」というサポーターが付く「ふるなびプレミアム」というサービスまでが実施されているほどです。


ふるさと納税コンシェルジェ.jpg

 こちら >> ふるなびプレミアム


「本来の寄附のあり方に立ち返ったふるさと納税の取り組みを」という意見も分からなくはないですが、

 「どうせどこかに払う税金だから」

というのが、消費者側の素直な意見ではないでしょうか。